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| 「二十一世紀の豫言」 − 2001年1月1日 掲載 |
新ミレニアムとなった昨年は、“Y2K問題”を巡って緊張感のなかで新年を迎えた。それと比べて今年の新年は、IT、メディア、ハイテクといった分野では、比較的穏やかな“世紀越え”ができたと言えそうだ。 ちょうど100年前の1901年の1月、当時の報知新聞は「二十世紀の豫言」と題して21項目からなる20世紀の夢技術を予想した。テレビ、無線通信、自動車など、その多くが構想として見事なまでに的中している。しかし、“ドッグイヤー”とも称せられるほど急激なテンポで変化が進む今日では、「二十一世紀の豫言」として21世紀中に実現できそうな未来技術を予想することはむずかしい。 世紀末はおろか、もはや2010年の姿を予見することすら至難の技だ。どんな突飛な社会になっているのか、推測できそうもない。一般的に考えられる夢の多くは、おそらく5年、10年以内には現実のものとなっている可能性が高いからだ。 しかし、新ミレニアムを迎えて、夢を語るのも悪くはないだろう。 最近のITやECの分野の動きを見ていて思うのは、“本人確認”のむずかしさだ。いわゆるバイオメトリックスと呼ばれる指紋や瞳の虹彩の形状で認識する方法などが実用化されてはいるが、コスト、認証時間、プライバシー、“なりすまし”の防止……などを考えると、まだまだ決め手に欠いている。 21世紀の早いうちに解決してほしいのが、“本人確認”の方法だ。EC(電子商取引)の普及発展を進めるには、正確で簡便で早く、しかも安いコストで誰もが抵抗なく接することの出来る認証技術が不可欠だ。 たとえば、人間の頭脳のどこかから発せられる微弱な信号(雑音)の固有のパターンを、非接触で瞬時に読み取ることはできないものだろうか。「ICチップを体内に埋め込んで……」というのではなく、脳細胞に記憶されている固有の波形情報を直接取り出そうという発想だ。それが出来れば、IDカードを紛失したり盗まれたり、暗証番号を忘れたり、ネット経由で暗証番号を盗まれたり、また偽造パスポートの心配もなくなる。入力する手間も省ける。指や目に怪我をしても、問題はない。 今世紀中には、人の脳細胞に記憶された所定の情報にアクセスしてダウンロードしたり、逆にパソコンなどに記録された情報を脳にアップロードしたり、さらには他人の脳と脳の間で情報を転送することすら可能になると、私は確信している。究極のマン・マシンインターフェースとなるだろう。 携帯電話やPDAなどが(といっても、21世紀の末には、この名称すら死語となっているのは間違いない)、まるで人間の体の一部であるかのように機能するには、何とか実現してほしいと願っている。 21世紀のオープニング、そしてこの連載コラムの記念すべき第1回だからこそ許される、こんな近未来夢技術を思い描いてみた。
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