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| 「IT革命は、省エネやエコロジーに逆行しないか」 − 2001年2月5日 掲載 |
最近、冬でも“冷房”をしているオフィスが増えているのだそうだ。サーバーや数多くのネットワーク機器、パソコンなどを年中無休のフル稼動をさせていると、それぞれの機器が放射する熱量の総和が大きいため、冬でも暖房がいらなくなる、というより“冷房”をしなくてはいけない状態にすらなるという。 確か、「IT革命は、環境問題や省エネに有効的で将来に期待される」と力説されているのだが、その実、かえってエネルギーの消費拡大となることもある。大規模なインターネット・データセンターともなると、電力消費はグッと大きい。 IT化が進むと、トラックやバス、自動車、電車、航空機などの交通機関の運行効率が上がったり、SOHOやテレワークが普及して人の移動が減り、その結果としてガソリンや電力の消費が削減されて省エネが実現できるという。しかし、コンビニのように効率重視の管理手法が定着すると、納品のためのトラックの運行回数が増えて省エネとは逆行してしまう。 今年の年明け早々から米カリフォルニア州では、電力の供給と需要のバランスが崩れ、周辺の州も巻き込んでの深刻な“電力危機”が起きてしまった。電力の自由化政策が市場メカニズムによって予想外の方向に作用し、発電会社が設備投資を手控えたことが主因のようだ。一方で、猛暑や好景気で電力需要が急増し、さらに国をあげてのIT革命が急激に進んだことにより、シリコンバレーの電力消費量が大幅に拡大したため、大きな社会的ダメージを招いてしまった。 筆者は、家庭の“省エネ3悪”を早く何とかしなくてはいけないと感じている。つまり、使っていない時もコンセントに差したままの 各家庭がIT化されると24時間稼動のホームサーバーやルーターが導入され、インターネットの常時接続やハードディスクを使ったビデオレコーダーによる24時間遠隔録画も可能となるだろう。ADSLモデムを使うにせよCATVモデムを使うにせよ、ブロードバンドのメリットを享受するには、わずかな有効稼動時間のために24時間稼動の機器が増え、待機電力が肥大化することは避けられない。
これからのIT化社会のキーワードのひとつとして、「ユビキタス・ネットワーク(ubiquitous network)の時代」があげられている。「いたるところに偏在している」という意味のようだが、「いつでも・どこでも・だれとでも」通信が出来るということは、屋外にせよ屋内にせよ、インフラ側は全ての場所で常に“待機体制”になっていることが前提だ。
競争時代に生き抜こうとする企業は、省エネの問題などは後回しにしてでも情報武装を優先強化しないと勝利は危うい。また日常生活でも、便利さを体で覚えてしまった市民は、生活様式を過去の時代に後退させることを許してはくれない。便利さや“ラクな生活”と省エネはトレードオフの関係にある。シリコンバレーの二の舞にならないよう、ネットワーク関連機器の低消費電力化や低待機電力を目指すことが、IT化時代の避けられない深刻な課題だ。
「オレの部屋は、インテル社製のペンティアム印の“ソリッドステート型ヒーター”を使っているから暖かいんだゾ」というのは、そのうち、冗談では済まされなくなってくる。
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