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| 「災害時におけるメディアの役割と“実力”(その1)」 − 2001年5月24日 掲載 |
防災関係者間の連絡網とともに、一般被災者に対する情報提供が災害対策活動の最重要課題で、災害の度に、情報伝達体制の適否が議論される。3月24日の芸予地震では、消防本部職員の緊急招集用に配備したポケベルが、電源の障害や交換機の輻輳のために十分に機能しなかったという(5月2日付、朝日新聞)。これを機に、阪神淡路大震災での私自身の体験を踏まえて、災害時におけるメディアの役割に触れてみたい。 災害時の通信手段として、ケーブルなどの損傷を受けることが少ない無線通信が特に優れていると言われている。実際にそうなのだろうか。 95年の阪神淡路大震災を例にみると、防災システム用の衛星通信で使っていたビルの屋上のパラボラアンテナの台座が壊れてアンテナの方向がずれてしまい、最新鋭のネットワークが機能しなかった。また携帯電話のトラヒックが異常に増えてパンクしてしまったり、基地局が機能しなくなったりした。携帯電話は一般に普及し始めていたが、停電のため携帯機の充電が出来なくて使えない。結局、無線通信といえども、万全ではなかった。 他方、緊急時に優先される公衆電話も停電で通話できないのが多かった(最近の公衆電話は多機能化していて電源を使っている)。一般家庭の電話も、最近では留守番電話やFAX、コードレスなどの機能を持っていて、電源がないと使えないものが増えている(停電でも通話のための基本機能だけは使えるタイプも増えている)。冒頭のポケベルの例にも見るように、電源による問題やトラヒックの輻輳により通信ができなくなるケースが多く、電源対策が最大のポイントのようだ。 神戸市西部の長田区を中心とした大火災は、“阪神炎上”などの新聞の見出しにもなり、多くの被災者を出す惨事となった。大火災となった一因は、消火作業に使う無線機の周波数が消防隊によって異なるため、近隣各県から応援に来た消防車間との連絡が取れず、放水が出来なくなったためと言われた。わずかな共通周波数があるものの、そこに無数の指令が集中するから、情報が大混乱して手がつけられない状態となってしまった。 (次週に続く)
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