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| 「“イントラ・メルマガ”で組織を活性化しよう」(2001年10月29日 掲載) |
筆者のところにも毎日、いくつものメールマガジンが送られてくる。最新の情報やニュースなどを掲載したメールマガジン(略してメルマガ)は、仕事でも日常生活でも大変貴重な情報源だ。電子メールの機能を利用して、1日に2〜3度、更新情報を送って来るものもあれば、2〜3か月に1度というのもある。筆者などは、読むのにかなりの時間を費やしており、すっかり“メルマガ生活”を堪能している。 メルマガは、簡便な情報の広報手段として活用されている。編集作業では、折り込みチラシや機関誌などのような紙メディアとは違って面積(紙面)の制約がないから、ページの枠の中に記事をきちんとはめ込む必要がなく、記事の量や割り付けで悩むこともない。制作費も、印刷代も輸送費、郵送費も非常に少なくてすみ、ネットワークに接続されたパソコン1台あれば小規模の組織でも発行できるから、広報メディアとしては実に手軽だ。 ただ読む側としては、新聞や雑誌とは異なって、頭から順次にスクロールして読んだり見たりする必要があるから、拾い読みがしづらいのが難点だ。続けて何本ものメルマガに目を通すと、目が疲れるし時間を取られてしまう。最近では、情報の編集や配信などの維持費を広告掲載料で賄っているためか、あるいは安上がりの宣伝媒体・販促媒体と考えているからか、広告の面積が拡がってきたように感じている。広告の中に本文が埋もれてしまって、読みにくくなってきた。 このメルマガというメディアは、不特定多数の読者を対象としたPR(Public Relation)から、得意先に対する販売促進や固定客に対する顧客サービスとしてのCR(Customer Relation)、投資家に対する情報開示を目的としたIR(Invester Relation)などへと用途が広がっている。この機能を拡大して、社内や部内、同窓会、ボランティアグループ、コミュニティ、趣味のサークル、親戚関係など、組織内情報提供の緊密化や意思疎通の円滑化の手段として活用できるだろう。 何も、一般的な業務連絡としてだけではなく、もと幅広く応用できるはずだ。 例えば「今度異動してきた山田さんのプロフィールは……」「田中さんが、来週から米国工場へ出張します。その予定と目的は……」「橋本さんに昨日、長男が誕生しました」「来週月曜日に代理店会議があります。皆さん、机の周りを整理しておきましょう」「あす、新製品の報道発表をします。外部からの問い合わせの際には積極的にご案内願います。今回の製品の特長は……」「台車が行方不明です。心当たりの方は元の位置に戻して置いてください」「高速道路が来週月曜日から工事に入ります。毎日利用している方は注意して下さい」「昨日、駅前交差点でピッキング事件がありました。明日はボーナスの支払日です。みなさん、通勤の際には注意をしましょう」「使ったあとの会議室や昼休みの消灯が守られていません。皆さん、省エネを励行しましょう」――などといった具合で、いわば掲示板のような感じで利用できる。 昨今、組織の弾力性を高めるために人事異動が頻繁になっている。さらに人材のアウトソーシング化に伴って、途中入社のほか、派遣社員や出向社員、アルバイト、外注社員、コンサルタントなど、様々な立場の人たちが組織内に入り混じって仕事をする傾向が強くなっている。国内や海外に分散した事業所も最低限の人数で運営されている。 このような経営環境では、従業員の相互理解や組織の結束力の強化、組織の安定化を図るために、コミュニケーションの強化やトップマネジメントのカリスマ性が、従来に増してますます重要となっている。とりわけ、間接部門や間接業務のために費やされる時間効率を高めるには、社員が頻繁に一同に会して日常の業務連絡を行ったり、情報交換を行うことは好ましくない。 電話や面談がコミュニケーションの手段としての中心であった時代には、改まった報告を聞かなくても、同僚がナゼ困っているのかや、どんな問題を抱えているのかが場の雰囲気で分ったものだ。しかし、1人に1台パソコンやモバイルインターネットが導入されて、電子メールで個別に連絡を取り合うことが一般化してくると、隣の席で仕事をしている同僚の仕事の内容すら分りにくくなり、ややもすると相互不信に陥ってしまいかねない。その結果、組織がぎくしゃくしてしまい、うまく機能できなくなってしまう。 「スピードの時代」と言われる今日、こういった事態を避けるためは、日頃から誰でも自由に情報が発信できる風通しの良い組織風土を築いておくことにより、情報の共有化を高め、一枚板で業務が遂行できる環境を浸透させなくてはならない。互いに状況を熟知し、組織的対応の敏速化を図るために、タイムリーなコミュニケーションメディアとして、組織内や仲間グループ間を対象とした“イントラ・メルマガ”をフル活用することが不可欠となってきた。 メルマガであれば、メーリングリストやグループアドレスを駆使して、それぞれが自由な時に自由な場所で、出張先や海外など離れた場所でさえ、情報にアクセスできる。集合会議を減らすことにより、他の予定を欠席したり、少人数の出張所を留守にしたり、時間と交通費を費やして会議に出向くこともない。よくある「そんなこと、聞いてないよ」という不満も、多少なりとも解消されるのではないか。 9月に起きた米国の同時多発テロの際にも、ある企業の危機管理担当者は、直後に自宅から海外の全事業所に一斉指令を発信して、社員の安否確認や対応方法の徹底を図ったという。日頃から、自宅・会社を問わず、メールを使った全世界的な緊急連絡が行えるコミュニケーション文化が育っていたからこそ、実現できたと言えるだろう。 とはいえ、電子メールにせよメルマガにせよ、いわばチラシのような存在に過ぎず、まだまだ情報伝達手段としての権威は認められいない。長年にわたって社会に定着している“書面主義”は、そう簡単に払拭できるものではない。紙文化を凌駕できるには至っていない。したがってメルマガに頼り切って周知徹底しようとするのは早計で、重要な内容は最終的に集合伝達や文書通達と併用する必要がある。 現在のマネジメント環境は、ピラミッド型組織に代表されるトップダウンによる一方向の指令型では存続できない。経営ニーズに対応したプロジェクト運営や委員会運営、組織間の協力関係の強化など、コミュニケーション経路が縦横無尽に飛び交うなど、組織運営は従来と比較してはるかに複雑化している。組織の柔軟性が強く求められ、情報のやり取りや円滑な情報の共有化が企業の生死を決する。イントラ・メルマガをもっと活用し、組織の活性化、効率化を目指すべきではないだろうか。
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